旧き良き時代の美しいもの<クリスマスベル>

陶器にどんな絵をのせていくかは器の特徴をみることから始まる。
器を見たときのパッとしたひらめき、相性から入り
回して展開させたときに、どういう情景が写しだされると素敵か。
器の緩急のカーブも絵柄を生かすのに取り込むし
地色だけでなく、磁器に当たる光の艶、影も考慮に入れる。

どういう絵柄をのせるかは
器をよく知り、よく観ることから始まる。
ここがさかざき展の陶磁器が
他にない素晴らしい点だと思う。

よくみるキャラクターの器が
(ほとんどがマグカップとお皿だけれど)
表と裏の2柄のポイントだけなのに対して

さかざき展の器は“展開柄”が多いのは
お気づきのことかと思う。

さかざき展の陶磁器は
その器のためだけに、器に合った絵柄を
新しく描き起こしているのだ。

ほんの50個、100個の器のために
新しい絵柄を興し、多くの職人さんや技術者の
手作業といくつもの工程を経て、
ああして展示会場に並ぶのである。

さかざき展では
さまざまなバリエーションの陶磁器を出しているが
今まで、それを誰もしてこないという理由は
それだけ、陶磁器の世界は多事多難だということだと思う。

さて、前置きが長くなりましたが、
陶磁器の魅力の一つに、絵柄がめぐってくる楽しさがあります。
これが代表的なひとつ。
<クリスマスベル「雪あそび」>

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陶器の絵柄は
Ⅰ.一蝶が下図を描き、さかざきさんがそれをもとに
モチーフや絵柄をさかざきさんのセンスを入れて
完成させる場合と
Ⅱ.一蝶がこれにはこんな感じをお願いしますと口頭で言う場合と
Ⅲ.これには何かお願いします、という場合がある。

このクリスマスベルはⅡ.
これには雪合戦とそり遊びをお願いしますとリクエストした。

というのもクリスマスベルはこれが最初で最期になると思って
いちばん心躍る絵柄をリクエストした。

実はもう、クリスマスベルはここにあるだけの貴重なものなのだ。
もう日本全国を探してもクリスマスベルで
こういうシンプルな形の生地は探せない。
クリスマスベルは、戦後、日本の窯業が盛んなころ
西欧アメリカ向けに輸出するために作っていたものだ。
旧き良き時代の香りのする昭和の名残なのだ。
もしかするとこのクリスマスベルが
オール国産、ということを考えると稀有中の稀有かもしれない。

クリスマスベル。
どうしてもこれは作っておきたかった。
美しいものはいい。心が洗われる思いがする。
実用にはならないこういうものに心を寄せ、
愛でる心のゆとりを持つことが
人にはとても大切に思うのだ。

話は前に戻るが
さかざきさんに、雪合戦とそり遊びをリクエストしたら
こんな可愛らしい素敵な絵柄をつけていただいた。

色に銀彩を入れた。
上品に仕上がった。

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柄がわかりやすいようにシンプルな空間で撮影したが
赤や緑、金銀のクリスマス飾りや
大好きなお人形さんたちがいたりする、
幸せな場所に飾ってあげたい気持ちがする。

(実は今、恵比寿でほんの数個、販売用で出してありますのでご覧ください)
 
 (それではまたね)
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